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Acupuncture and Sound Assisted Autonomic Modulation Technique: Brief Scientific Background and Clinical Applications

The Pacific Wellness Institute

筑波技術大学、客員研究員

国際バイオフィードバック認定連合, シニアフェロー

 田中秀明

 本研究の一部は、WHO Congress on Traditional Medicine(北京、中国、2008年)、ICMART XIII World Congress (ブタペスト、ハンガリー、2008年)、57回全日本鍼灸学会、(京都、日本、2008年)にて発表した。

 グラフや画像データは英語版を参照して下さい。

目的:健常者では通常10秒前後の周期での律動的呼吸時、0.1Hz付近をピーク周波数とした心拍変動 (HRV) の増大が観察される。この周期での呼吸トレーニングは、心拍、血圧応答を活性化し圧受容体反射感受性を高めるとの報告もあり、自律神経系疾患等への効果的アプローチとしてHRVバイオフィードバック (HRV-BFB) 療法が注目されている。しかし、HRV-BFBは通常患者へPCスクリーンを介した視覚的インプットを必要とし、日常の鍼臨床には導入しにくい。そこで、音声、波の音、クラッシック音楽から構成したCD (HRV Trainer CD、2002、非売品 1) を0.08、0.10、0.12Hzの3種類の周波数を用いて作成した。今回は0.1Hzを基調リズムとした CDに対してのパイロット的な実験について報告し、鍼臨床に応用する取り組みについて紹介する。

方法:CDへの予備知識を持たない4名の健常者に対しCD再生前と後に12呼吸/分 (0.2Hz) での制御呼吸を5分間行わせた。CDは35分間再生した。実験中は心電図と呼吸周期を連続的に記録しPCへ保存した。5分毎のR-R間隔データを高速フーリエ変換し、周波数帯域のHFとLF成分を解析した。

結果と考察:被験者全員、CDスクリプトにほぼ忠実に呼吸を行っていた。HRV解析では、休息時と0.2Hzでの制御呼吸時に見られたHF成分は音声コマンド開始直後より大きく低下し、LF成分が顕著に増加した。この傾向は10秒周期の波サウンド再生時にも引き続き見られた。これは呼吸性HRV (RSA) がHFからLF領域へシフトし、HRV-BFBで訓練目標とされる単峰性スペクトルが0.1Hz付近で形成されたことによると考えられる。

結語:通常のHRV-BFBと異なり、今回の方法は視覚的フィードバックを介さないが、HRVの増大とシフトがみられた。臨床においては、自律神経調整を目的とした置鍼中にHRVが最大となる周波数CDで呼吸運動を行わせ、パワースペクトルをオンラインでモニターし評価している。自宅療法の一環としても応用している。

NOTE: 本研究で作成・使用したCD (1)は当院での基礎トレーニング用としてのみ使用しており非売品です。一般の方でご購入を希望の方は、商用に開発されたCD(Calming Massage・Breathing for Relaxation)をお試しください。Amazon等で購入可能です。

 

1. Tanaka, T.H. The Creation and Efficacy of a HRV-Autonomic Trainer CD in Assisting Heart Rate Variability Biofeedback Training: Preliminary Report. Paper presented at the 34th Annual Meeting of Association for Applied Psychophysiology and Biofeedback, Jacksonville, Florida, MarMarch 27-30, 2003.